銭湯の何が良いのか 

実は答えは簡単で、私の場合、
・湯船でゆったり足を伸ばせるから
・公けの場所で、何に気兼ねすることなく裸でぼーっとできる外界と隔絶した空間性があるから
に尽きます。

最初銭湯通いを始めたのは必要に迫られて、ですが、通ううちにだんだん自宅の風呂では我慢できなくなってきたんですね。
私が現在アパート住まいなせいもあるかと思いますが、やっぱり自宅の風呂は狭い。
どんな小ぶりな銭湯よりも狭い。
中には銭湯顔負けな浴室設備を自宅に整えてらっしゃる方もおられるんでしょうが、日本の住宅事情を鑑みるに庶民の多くはせいぜい2畳〜4畳程度の浴室を利用していることと思います。
決して広いとはいい難い。
またそこに洗面具やらあれこれ置くからただでさえ狭い浴室がさらに手狭だ。
なんだか石鹸カスとか水垢がタイルの目地で繁茂してたりもする。
掃除するのは自分の役割なんだけど、休みの日に風呂掃除なんてまっぴらごめんだ。
見てみぬ振りをして浴槽につかるが、浴槽がこれまた狭い。
中途半端な体育座りをどうしても強いられる。
いまいちリラックスできないが、まあしかたない、と背筋を伸ばすと、嫁の高価なボディーソープやらコンディショナーやらを指先にひっかけてぶちまけてしまい「なにしてんのよ!」と、怒鳴られる始末。
さてここで私はみなさんに改めて問いかけたいのです。
なぜ銭湯に行かないのですか?と。
銭湯にこの手のストレスは存在しません。
たった400円程度で浅風呂、深風呂、サウナ、水風呂、薬湯に電気風呂等々、自由に満喫できるのです。
よっぽどの人気店でない限り、昨今、大抵の銭湯はほとんど混んでいる、ということがありません。
背筋も伸ばせやしない、なんてことはありえないのです。
また、小銭数枚で利用できて、身近にあり、疲れが癒せて、気分がほぐれる施設って、他にありませんよ、と私は思うわけです。
なんだかテレビショッピングみたいになってきたなあ。


スーパー銭湯なら行くけど、という御仁もきっとおられることと思います。
私も以前はそうでした。
一時期、目の色を変えてあちこち巡っておりました。
確かにスーパー銭湯にはスーパー銭湯のよさがあります。
なんといっても広いし、設備も充実。
でもスーパー銭湯には同時にストレスも存在するんですよね。
人の多さ、これに尽きます。
あるスーパー銭湯の帰り、脱衣所で人と人に挟まれてありえない体制で着替えて、やっと自分の車まで戻ったとき、なんだか繁華街に行って人ごみにもまれた後のような疲れがあることに気づいたんですね。
ストレスを流しに来たのに別のストレスで疲れている自分がいる。
これはおかしいと。
まるで大型連休に、とり憑かれたように観光地を巡ってへとへとになる誰かのようではないか、と。
私が思うに、気持ちと体をほぐすのに、広大な敷地、バラエティにとんだ充実の設備って実は必要ないんです。
両手を広げた範囲内に人が居なくて静かなら、それで充分なんです。
それに気づいてから俄然自分の中で町の銭湯の再評価が高まりだしました。
私は銭湯でぼーっ、とするのがかなり好きです。
素っ裸で何をするでもなしに湯気が昇りゆくのを眺めているだけでなんだかいろいろ体から悪いものが抜け出ていくような気がします。
こんな贅沢な時間はないなあ、とさえ思います。
外界から隔絶されて、ただ湯船があるだけ。
そういう空間で脳のしわを延ばす1日の終わりこそ実は素晴らしく「豊か」なのでは、と思う次第です。

なんだかもう不景気で日本のお父さんはあれこれ本当に大変な昨今だからこそ、銭湯を見直してみるべきでは、と思う管理人です。

20時半から京都の銭湯を巡る

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